15日午後2時7分(日本時間)、蠍座の23度で新月でした。その前日14日の午前9時35分に、火星が牡羊座の15度で2ヶ月間に及ぶ逆行から順行に転じました。
この新月は、高いテンションが続く混乱の中で、ひとときの穏やかさが戻ってきている感じです。と同時に、これからもさらに続いていくであろう変化に対応するために与えられた、とても貴重な“支度”の時間でもあります。季節的にも冬支度の時期ですが、衣替えを機に不必要なものは処分し、肝心なものは手入れをしてできるだけ身軽になっておくと良いかと思います。ここ数日、季節外れの暖かい日が続いているので、今のうちにできるだけ太陽光を浴びて光を蓄えておくのも良いでしょう(人体ソーラーパネル 笑)。
なにかを整えたり備えたりするために支度をしますけれど、物に限らず体も心も“入れ替え”といいますか、今デトックス(解毒)をしっかりやっておくことが、今後の生活の備えになるように思います。
そして蠍座の新月は、それにとても適した時間です。乙女座の新月も然りですが、蠍座の解毒と浄化のパワーは天下一品ですね。蠍座の支配星は破壊と再生をあらわす冥王星です。関連するハウスは第8ハウスで、死、生殖、遺産などをあらわします。(各ハウスの意味はこちら)
毒をもって毒を制すホメオパシーは、蠍座的なエネルギーを持ちますね。強い困難や苦しみを経験する時は、さあ、負けずにガンバって乗り越えましょう!とポジティブやハッピーになろうとしても、そう簡単には癒されず、余計に苦しんだりします。逆に、悲しい時はとことん悲しむ。怒りがある時にはもっともっと怒る。自分にとって居心地の悪い感情を否定することなく、その感情の切り替え点に到達するまで、徹底的に毒と向き合い、毒を取り込んで浄化し、そこから不死鳥のように蘇るエネルギーを蠍座・冥王星はあらわします。
優れたヒーラーやカウンセラー、心理学者に蠍座、冥王星、第8ハウスのエネルギーを強く持った方は多いです。自身が無情なまでの喪失の痛みと死の淵を垣間見た谷底から這い上がって蘇った(黄泉がえった)経験を持っていたりします。蠍座はそのエネルギーの強さの振り幅が極端でもあるので、例えばチャールズ・マンソン(太陽、水星、金星、木星が蠍座です)のように、ダークサイドに行きっぱなしという人もいます。ダースベイダーも蠍座・冥王星(と土星)ですね、多分。もちろん、ネイタル・チャートを包括的に読む必要がありますけれど。
さて、この新月はデトックスをしよう。ということで、まんてんは24時間断食をしました。アメリカにいた数十年間、車もテレビも電子レンジさえも持たない生活だったのですが、日本の実家に移住して生活様式が変わってから、なにかどうも体の調子がイマイチでしたのでね。日本の湿気の多い気候に対応できてないということもありますし、なにか、電磁波強いですよね。1988年ごろからずっと耳鳴りがあるのですが、最近金属的な音がすごいです。
もともと一日2食で満足する生活だったので、24時間断食したぐらいではこれといって変化もなかったですが、断食中ものすごい眠気に襲われて爆睡しました。目が覚めた時には細胞レベルで新しくなったような、実に爽やかな新月の日の夕方を迎えました。
▎バイデン氏は「癒しの時」を呼びかけた
アメリカ大統領選挙の結果が出ましたが、混乱はまだ続きそうです。火星が順行に転じた昨日あたりから、トランプ大統領の言動にも変化が現れてきましたが、今は彼自身というよりも、分断によって成長した(というか増長した)、独立した人格のような大きな集団エネルギーが、おいそれと決着をつけることを拒んでいるようにみえます。
トランプ大統領が占星術を知っていたら(知っているかもしれないけど)、バイデン氏を甘く見ることはしなかったでしょう。バイデン氏のネイタル・チャートを見ると、太陽、水星、金星、火星がすべて蠍座に入っており、牡牛座の月に第8ハウスにある獅子座の冥王星がスクエア(90度)の角度をとっています。第8ハウスに木星もありますね。これほどまでに蠍座・冥王星・第8ハウスのエネルギーが顕著であるということは、相当にパワフルで、策略・戦略・持久力に優れた能力を持った人でしょう。
蠍座はその性質が水であることから、火や風のエネルギー(トランプ大統領のネイタル・チャートにはこれらが多くあります)が持つパフォーマンスの派手さ、華々しさ、スピード感はありません。その静けさの中に何を有しているのか、どれぐらいの深さがあるのか外側からはわからない深淵な湖のようなエネルギーですね。長年にわたって滴り続ける水の一滴が岩の形さえも変えていくように、粘り強さ、執着の強さでは12星座中随一でしょう。トランプ大統領は「スリーピー・ジョー(寝ぼけまなこのジョー)」などと言って揶揄していましたが、バイデン氏のもつ訥々としたパフォーマンスの“目立たなさ”を取り違えてしまいましたね。バイデン氏のアセンダントは射手座であり、そのフレンドリーさがコアな部分にある蠍座の凛烈さを隠しているところもあります。
その蠍座のエネルギーを多く持つバイデン氏ですが、最初の配偶者と幼い娘を不慮の交通事故で亡くしており、5年前には最愛で最大の理解者であった息子を45歳の若さでガンによって失ってしまいました。
彼のことをハリス氏が「ヒーラー」と呼んでいましたが、選挙結果が出たのちのニュースのキャプションに、大きく「バイデンは癒しの時を呼びかけた」と出ていたのにも、今回の蠍座の新月の象徴を見た気がします。
新しい時代が始まるにあたって、まずは癒しと修復が必要であるというわけです。しかし、今後の星回りを見ても混乱は続いていくようです。特に2021年1月20日の大統領就任式の日は、月・火星・天王星が牡牛座でピッタリと重なってバイデン氏の月と合となり、蠍座の火星とオポジション、さらに水瓶座にある太陽、木星、土星とスクエアとなります。テンション高いです。「独立した人格のような大きな集団エネルギーが、おいそれと決着をつけることを拒んでいる」と上述しました。本当に身辺に気をつけていただきたいです。
▎2020年は古いサイクルの終わりと新しいサイクルへの移行の年
今年残りわずかの星回りのキーポイントとしましては、
11月30日 双子座8度の満月、部分月蝕
12月14・15日 射手座23度の新月、皆既日食
12月21日 冬至
12月22日 木星と土星が水瓶座0度で合、“グレートコンジャンクション”
と結構大きなギアがたて続けにガツンと入る感じです。
占星術的な見解としては、2019年から加速した圧倒的な変化は今年で終わりではなく、さらなる大きな変化への始まりでしかないのですが、しかし2020年は1つのサイクルの終わりの年です。11月、12月はその移行期でしょう。
今年の冬至にグレートコンジャンクションが重なるあたり、いよいよ地球はさらなる次元の変化に進むシナリオなのだな、その前座として蠍座の新月とふたつの蝕が用意されたか。と感慨深いものがありますが、グレートコンジャンクションについてはおって書くことといたしましょう。
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