今現在、山羊座の16度を逆行中の土星。
9月に順行に戻り、今年いっぱい山羊座を総仕上げで駆け抜けていき、2020年の3月に水瓶座に移行します。
1959年〜1961年生まれの還暦を迎えている方々、そして1988年11月から1991年2月の間に生まれたアラサーの方々、お疲れさまでした! 大きな人生の節目であるサターンリターンの時が終わるのも、もう目の前です。(1930年〜1932年にお生まれになったアラナインの方々も!)
土星は太陽の周りを29.5年かけて一周します。 出生時に天空にあった土星の位置に進行中の土星が戻ってくる期間を、西洋占星術ではサターンリターン(土星回帰)といいます。
で、それがどういう意味かといいますと、人生で自分が撒いてきた種が育ち、穫り入れをする時期なのです。
「こんな種撒いた覚えないけど。」っていうような泣き言やパニックが噴出する時でもあります。
特徴としては、(時に冷厳とも思えるほどの)現実に向き合う時となります。
自身のネイタル・チャート上で土星が位置する星座、そしてハウスは、今世でのチャレンジ、乗り越えて成長するためのレッスンを表します。その土星が、たとえば太陽や月、金星などにハードなアングル(90度や180度)をとっている場合、チャレンジの大きさはより顕著になります。
29才、59才で迎えるサターンリターンは1つの大きな節目ですが、実は7年ごとに土星の節目を迎えます。
天空を進行している土星が、7年目には自身のネイタルの土星に90度の角度をとり、14年目には180度、そして21年目に再び90度となるからです。
例として、上のチャートでは出生時に土星が牡羊座、10番目のハウスにあるとしましょう。
自己主張、自律性、開拓精神をもって新しい分野を切り開いていくという牡羊座の性質が土星にあるので、内に熱い野心を抱きながらも自信がなくて前に進めない、常に自己否定をしてしまうという葛藤をみてとることができます。キャリアや社会的な地位、また親を表す10ハウスにその土星が座しているので、キャリアを積み上げていくうえで乗り越えなければならない余計なチャレンジ(親が道を阻むとか?)があるかもしれません。あるいは、親や先祖が立ち上げた家業(土星は伝統も表す)を継ぐ立場にあるというプレッシャーかもしれません。
この、出生時の “土星のテーマ” が、特に7年ごとに活性化されるのです。上の例でいうと、
7〜9才時にいじめにあってしまい、自己存在や自分のイメージ(1ハウス)に関して忘れられない傷を負ってしまった。
14〜16才時にはまだ癒えぬ傷のために荒れてしまい、家庭内や親との間(4ハウス)でも対立してしまった。
しかし21〜23才時に社会にでた頃に、師や友人、恋愛相手との重要な人間関係(7ハウス)をとおしてその傷を真っ向から見つめざるを得ないことがあり、大きな学びと癒しを得る機会があった。
28〜30才時にサターンリターンを迎え、「何をするにも自信がない、主張ができない」という恐れをクリアして揺るがない自己の確立に伴う、社会的に新たな展開(10ハウス)を迎えた。
っと、これはあくまでも1つの例ですが、土星の動きを知ることによって、その時に課せられている人生のレッスンを把握することができます。
土星やサターンリターンがなぜ恐れられているかというと、やっぱりキツいからです。
自分の弱点や傷を見つめ、逃げずに真っ向から自分の本質や現実に向かわざるを得ない人生のレッスン(あるいはカルマ)をもたらすから。できれば避けたい 笑。 でも逃避してクリアしないままにしていると、同じ課題がより複雑になって巡ってくることになります。
土星のエネルギーの素晴らしいところは、ここ一番の難関を逃げずに通過してクリアした時に、自分の弱点や傷は、実はダイヤモンドの原石であった、ということに気づくこと。
もう捨ててしまいたい重い重い鉛を、金に変える。
負のエネルギーを変換させて、原動力とする。
サターンリターンを経て、この土星が課すレッスンの本質に気づいた時に、私まんてんは土星を師匠の座に格上げしました。「やーなんでこんなひどいことをー」という逃げから「はい、これが課題なんですね。承知しました(超不安だけどやってみます。)」という謙虚さ?に変わったというか 笑。
土星は逆行しながら、出生時の土星の位置を3度ほどヒットしますので、だいたい2〜3年間このエネルギーを感じることになります。それぞれ個々のチャートによってシナリオは様々ですが、1度目のヒットがくる半年前ぐらいから、鬱屈感というか、内なるプレッシャーを感じ始めます。
緩和するための1つの対処法としては、体を鍛えること、特に筋トレはいいです。土星という大きな重しを感じる時期には、同質療法ではないですが、体に重し(プレッシャー)をかけてその負荷を体でも感じてしまうのです。そのキツいトレーニングを黙々と行うことで、耐性がつきます(やり過ぎは禁物ですヨ?)。そして一年後には、鍛えられた体へと変容した自分を見て驚いた(鉛から金へと移行 笑)、というおまけも付きます。
土星の動きに関連しているかは知りませんが、昔は14才あたりで元服でしたし、現在も21才は正式な”成人”の時、となっていますね。 そして60才では還暦を迎え、干支が一巡して生まれた年に戻る=赤ちゃんに還るという節目になります。
まさにサターンリターンは、精神的にも肉体的にも成熟のときー新たに生まれ変わる時ーといえます。
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